データ派に見えて、投資判断の起点は「直感」だった

田代

kenmoさんは、書籍やSNSでの発信を拝見していると、かなりデータを重視し、緻密に分析して投資判断をされている印象があります。
ただ、実際には少し違う部分もあるのかなと感じていて。まずはそのあたりから伺ってもいいでしょうか。

kenmo氏

よくデータ系と見られるんですけど、実際、重要視しているのは直感ですね。


田代

そこはかなり意外です。
むしろ、ものすごい量の情報を集めて、その中から答えを導いているイメージが強かったので。

kenmo氏

そう思われがちなんですけど、僕の中では順番が逆なんですよ。
まず観察から始まるんです。
マーケットの空気を見るとか、SNSのタイムラインを見るとか、人が今どこに関心を持っているのかを見るとか。展示会に行って、どのブースに人が集まっているかを見るとか。
そういう観察をしていると「次は多分ここだな」という感覚が出てくる。そこが出発点なんです。

田代

なるほど。
勘というよりは、観察の積み重ねの中から生まれる直感なんですね。

kenmo氏

そうです。
だから、何もないところから急にひらめくわけではないんですよ。
いろんなものを見ていて、その結果として直感が働く。
その感覚が出てきた時の投資は、比較的うまくいくことが多いですね。

若い頃から、まだ広く知られていないものに惹かれていた

田代

その「観察して、まだ広く知られていないものに反応する」という感覚は、昔からあったものなんでしょうか。

kenmo氏

あったと思いますね。
20代の頃はオタクだったので。今では「元オタクのただのおじさん」って感じですけど(笑)。

田代

そのオタクというのは、どういう方向だったんですか。

kenmo氏

いわゆる作品そのものというより、アニソンとか、ライブとか、そっちでしたね。
声優さんのライブにも行ってましたし、アニメ本編はそこまで見ないのに、オープニングやエンディングは見る、みたいなこともありました。

田代

だいぶ独特ですね。
でも、少し分かる気もします。作品そのものというより、その周辺の熱量や空気に惹かれる感じですよね。

kenmo氏

そうかもしれません。
あと、昔からみんなが知ってしまうと興味が薄れるところはあったんですよ。
まだ一部の人しか見ていない時期の方が面白い。
今思うと、それは投資でも同じかもしれませんね。

田代

確かに、成長株でも「みんなが当たり前に知っている段階」より、その手前の方が面白いという感覚はありますよね。

kenmo氏

そうですね。
広く知られるようになると、そこから先は別のゲームになる感じがあるので。
やっぱり、その前の段階に惹かれるんだと思います。

大学時代から、価格の歪みを見る感覚があった

田代

その感覚は、学生時代からあったのですか。

kenmo氏

そうですね。
大学時代も、安く買って高く売る、つまり「せどり」をしていましたし、そこで得たお金を投資資金に回していました。
結局、価格は固定されたものではないんですよね。
どこに歪みがあるのか、何が過小評価されているのか、そういうのを見るのは昔から好きだったんだと思います。

田代

その頃からすでに、いわゆる“市場の歪み”を見る感覚があったと。

kenmo氏

あったと思います。
同じものでも、売る場所やタイミングが変われば全然値段が違う。
そういうのを見ていると、株も同じだなと思うんですよ。
他の投資家がまだ気づいていないものに、いち早く気づけるかどうか、というところがあるので。