曽祖父は神戸の米相場師だった

田代

早速ですが、お母様の祖父は、神戸で米相場を手掛けていたそうですね。

ちょる子氏

はい。
神戸で米相場をやっていて、親からは全国新聞に書かれたこともあった、と聞いています。
ただ、ネットで調べてもほとんど情報が出てこないんです。私自身、自分のルーツにはすごく興味があって、いろいろ調べています。意外と、自分の家族のことって知らないものですよね。

田代

そうしたご家族の存在が、投資に興味を持つきっかけになったのでしょうか。

ちょる子氏

直接的には、それほど影響は受けていないと思っています。
家族から投資を勧められたのはオリエンタルランド(4661)の株くらいですね。
「投資をやりなさい」と言われたのは、そのくらいだったと思います。

一方で、母が何気なく言った「お金にお金を生ませないといけない。」という言葉は今でも覚えています。
社会人になって間もない頃だったと思いますが、その言葉を聞いて、「そういう考え方があるんだ」と思いました。

横浜銀行株が教えてくれた「配当」の考え方

田代

ご家族のお話では、横浜銀行(現在の横浜フィナンシャルグループ(7186))の株式を長く保有されていたことも印象的でした。

ちょる子氏

はい、父方の祖父が横浜銀行の株式を大量に持っていました。
祖母、父、父の姉、父の兄などで株を保有していたと聞いています。当時の評価額は10億円ほどだったそうです。横浜銀行の方が株式を買い取りに来たと聞きました。

田代

当時としてはかなり大きな資産ですね。売却されなかったのでしょうか。

ちょる子氏

そのようです。
株を売れば現金になりますが、そのまま持ち続ければ毎年配当金が入ってきます。
株を売ったら配当が入ってこなくなるから、「株は買ったら売ってはいけない」というのが父方の親族からの教訓です。

親と株の話をするようになったのは、私が本格的に株を始めた2019年以降ですが、私自身は、その考え方があまり理解できませんでした。「そんなにお金になるなら、売ってしまえばいいのに」と私は思ってしまいます(笑)。

田代

ということは、最近分かってきた感じですか。

ちょる子氏

そうなんです。
仕事をしながら投資を始めると、その意味がよく分かるようになりました。

配当株は基本的に売らないという考え方でもありました。配当という形で収入を得続けることを大切にしていたんですね。だから今、自分が高配当株を資産の柱の一つにしているのも、振り返ってみると、その影響は少なからずあるのかもしれません。

リスクを抑えるため、資金を切り分ける

田代

一方で、現在のちょる子さんは、高配当株を保有する一方で、トレードも積極的に行っています。

ちょる子氏

今はだいたい半々ですね。
2025年1月時点では、高配当株が約9,000万円、トレード資金が約1.1億円でした。
その後、相場が良かったこともあって、同年12月には高配当株が約1.7億円、トレード資金も2億円台まで増えました。さらに今年2月には、トレード資金だけで4億円近くまで膨らみました。

田代

かなり大きく増えましたね。

ちょる子氏

そうなんですが、その後に大きな損失も経験しました。
一時は、資産を約9,000万円ほど減らし、その後6,000万円ほど戻す場面もありました。その時に、「これはリスクを取り過ぎている」と感じたんです。

資産が増えると、どうしても「もっと増やせるのではないか」という気持ちになります。でも、それと同時に、一回の値動きで失う金額も大きくなってしまいます。利益だけを見るのではなく、自分が冷静に判断できる範囲で運用することが大事だと思いました。

田代

そこで、トレード資金を見直したということですね。

ちょる子氏

そうです。
1.1億円で運用していた資金が4億円まで増えていたので、「トレード資金としては、もう十分だ」と考えました。
資金が大きくなれば利益も増えますが、その分、損失も大きくなります。ボラティリティが大きいマーケット環境では、精神的な負担も大きくなりますし、冷静な判断ができなくなることもあります。

だから、増えた分は運用資金から切り分けて、高配当株など長期資産へ振り分けるようにしています。
トレードで増やす資産と、配当を受け取りながら育てる資産。それぞれ役割を分けて考えるようになりました。

トレードで増えた資金を、現物資産に移す

田代

トレードで得た利益は、他にはどのように運用しているのでしょうか。

ちょる子氏

最近は時計のような現物資産を買っています。

田代

それは、一般的な価格帯の時計ではないですよね。

ちょる子氏

はい(笑)。世界三大ブランドの一つ、パテック フィリップが中心です。
とはいえ、時計は発注してから手元に届くまでに1年ほどかかるのでお金を支払っただけの状態ですが。

田代

時計もここ数年で大きく値上がりしています。
趣味である一方、現物資産としての価値も意識されているのでしょうか。

ちょる子氏

もちろん、時計が好きというのが大前提です。
売ることを前提にしているわけではなく、株式のように日々価格変動を起こさないアセットクラスの資産を持つことによって、あくまでも自分の破産リスクを減らすという考えが大きいです。でも、資産として考える以上、流動性や出口戦略は必ず考えます。

以前、パテック フィリップのノーチラスのフルダイヤモンドモデルを4,000万~5,000万円くらいで勧められたことがありました。ただ、女性向けのフルダイヤモデルだったので、将来売却するときに買い手が限られると思ったんです。
出口が難しいと判断して見送ったのですが、結果的には現在1億円を超える価格になっています。

田代

見送ったのは、「売却を考えた時に買い手が限定的だから」という考え方だったわけですね。

ちょる子氏

そうですね。
どれだけ値上がりしても、最後に売れなければ意味がありません。資産として持つ以上、「買うとき」よりも「売るとき」を意識しています。

田代

トレードで得た利益を、別の資産へ移していく感覚ですね。

ちょる子氏

そのイメージです。
利益を全部トレード口座に残しておくと、また同じリスクを取ってしまいます。

だから、ある程度利益が出たら、時計のような現物資産や高配当株など、長く保有できる資産へ移すようにしています。資産ごとに役割を分けることで、全体のリスクを抑えられると思っています。

不動産は欲しいが、今の価格には慎重

田代

不動産には興味はないんですか。

ちょる子氏

興味ありますよ(笑)。
ただ、今の東京都心の不動産価格は、かなり高いと感じています。利回りの倍率で見ると40倍近い物件もあります。もちろん、不動産は利回りだけで判断するものではありませんが、今の価格には慎重になっています。

田代

ここ数年は海外マネーの流入も大きかったですね。

ちょる子氏

そう思います。
中国の富裕層をはじめ、海外からの資金が価格を押し上げた面はあるでしょう。
ただ、今は規制などの影響で、そのプレーヤーが以前ほど積極的には買えなくなっています。そうなると、市場参加者が減り、流動性にも影響が出てくる可能性があります。

田代

そうなると、「次に誰が買うのか」という視点も重要になります。

ちょる子氏

そうなんです。
日本人の実需だけで考えると、例えば2億円のマンションを購入できる世帯は限られます。共働きでも簡単には手が届きません。

だから私は、「この価格でも本当に欲しいと思う人がいる物件なのか」という視点を大切にしています。

田代

価格ではなく、資産価値を見ているわけですね。

ちょる子氏

そうです。
この前、港区・南青山で3億円のマンションを見たんですが、「3億円でこれなのか」と思ってしまいました。もちろん立地は魅力的です。

でも、3億円という資金を投じるなら、もっと魅力的な投資先があるのではないかとも感じました。
私なら、「富裕層が本当に欲しいと思う物件かどうか」を一つの判断基準にします。

田代

一方で、ご自身も都心に住むメリットは感じていますよね。

ちょる子氏

そこはあります。
今はフリーランスなので、都心に住めばお客様との距離が近くなります。移動時間が短くなれば、その分、新しい仕事を入れることもできます。
そう考えると、住む場所はコストだけではなく、生産性への投資という面もあります。

田代

REITへの投資は考えていないのですか。

ちょる子氏

REITはマクロ環境の影響を受けやすく、実際の不動産価値以上にNAV(純資産価値)倍率が下がることがあります。その点は少し気になります。

一方で、不動産デジタル証券は投資しています。年2回、不動産鑑定士が評価額を見直す仕組みなので、価格変動も年2回です。金融商品なので、ほかの金融商品との損益通算も可能ですし、税率も株式と同じ約20%です。
商品設計として面白いと思っていますし、今の投資額は3,000万円ほどになっています。